マクロの仕様 (ドキュメント オブジェクト モデル) (チュートリアル)

EmEditor のマクロの仕様 (ドキュメント オブジェクト モデル) では、 Window オブジェクト が現在のスコープになっています。つまり、 Window オブジェクト のプロパティとメソッドについては、何のオブジェクトに対するプロパティまたはメソッドかを指定する必要がありません。最初の document は、Window オブジェクトの document プロパティ を示しています。これは、ウェブ ブラウザで使用されるスクリプトと同様です。もし、Webブラウザに対するスクリプトに慣れている人の場合、次のように書く方が見やすいかもしれません。

[JavaScript]

document.write("EmEditor supports macros.");

[VBScript]

document.write "EmEditor supports macros."

上記でもまったく同じ動作になります。つまり、 Text プロパティ の設定の動作は、 write メソッド の動作とまったく同じです。 EmEditor のマクロでは、複数のオブジェクトが使用できます。これは、オブジェクト指向によるプログラミングを実現することと同時に、将来、複数のウィンドウや文書を同一マクロで操作できるようにするなど、マクロの拡張の可能性を視野に入れているためです。 EmEditor のマクロでは、次のオブジェクトが使用できます。

  • Window オブジェクト - これが、既定のスコープになり、オブジェクト名を指定する必要がありません。ウィンドウのユーザー インターフェースに関するメソッドやプロパティを提供しています。 document プロパティ によって、現在の文書に対する Document オブジェクト のプロパティとメソッドを利用することができます。また、 editor プロパティ によって、 Editor オブジェクト にアクセスすることができます。

  • Document オブジェクト - 開いている文書に対するメソッドとプロパティを提供します。ここで提供されるメソッドとプロパティは、文書全体に対するもので、文書のファイル名、設定名、書き換え禁止状態などが含まれます。さらに、 selection プロパティ によって、現在の選択範囲やカーソル位置に対する Selection オブジェクト を利用することができます。

  • Selection オブジェクト - 現在の選択範囲やカーソル位置に対するメソッドとプロパティを提供します。選択範囲の変更、文字の変換、カーソル移動、検索や置換など、多くのプロパティとメソッドを提供しています。

  • Editor オブジェクト - EmEditor アプリケーション全体に対するメソッドとプロパティを提供します。例えば、EmEditor の実行ファイルのパスやバージョン、新規にファイルを作成したり、指定したファイルを開くときに利用するメソッドやプロパティを提供しています。